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夏、道東の釣り 1

 久々にFさんと再会をはたすべく、釧路に向かった。道央圏の異様な暑さから脱出すべく道東へというのは、半ば冗談のつもりだったが実際本当のことになった。道の駅恋問での車中泊は久々に涼しくゆっくりと寝ることができた。
 2日は予報では小雨混じりという天候の状況ということで9時待ち合わせ、茶路川を釣るということになった。待ちきれないのか少し早めにやって来たFさんは相変わらずの悠然たる風貌であった。
 幸いにして天候は曇ってはいるが何とか持ってまだ降り出す様子はない。まずは茶路川河口の海岸線でサクラマスの釣り場を確認、盛期にはどんな光景が繰り広げられたのか。いまは誰もおらず、終わりかけたハマナシの花がひっそりと咲いていた。

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 まずは毎年行っている高速インター付近のポイントへ。この時期の渇水と貧果は毎年のことだが、河原が広くて竿を振るのが楽なので、久しぶりのフライでの釣りのFさんにはキャスティングの勘を取り戻すのにも丁度良い。

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 まずは最初の少し深みのある絶好の良い瀬、Fさんもなんとか自分で準備を終え竿を振れている様子。ここはスレているにしろ、何らかの反応があるはず。ところがどこを流しても何の反応もない。えっどうしたのだろう。下の倒木の入った少し深みの所でも何か反応があるようだが鉤掛りしない。やっと釣れたと思ったらいつもの新子ヤマメ。Fさんの所に行って様子を聞いてみると同じだという。

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 少し上流に上って再び倒木の下を探ると大きくはないがやっと当りが。場所からしてイワナのポイントだろうと期待してあげて見ると、なんとウグイだった。あんなところにウグイがいるなんて。

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 その後はFさんはさらに上流へ、自分は下流へ、二時半に時間を決めて別れて釣ることにした。しかしどこまで下っても状況は変わらず。何よりイワナが居そうなポイントでウグイがかかるのにはがっくりしてしまう。イワナたちもこの暑さでどこか涼し気なところに去ってしまったのだろうか。しかも道東とはいえ、さすがにこの時間になると陽射しはなくとも暑い。
 時間になったので上がるとFさんは先に上がっていて待っていた。聞くと小さなヤマメが釣れてくれたとのこと。状況は同じようであるらしい。これからどうするか迷ったが、Fさんの昔の記憶を頼りに更に上流に向かうことにする。自分としてはここでもかなり上流の印象があったのだが、行って見ると更にかなり川が上流まで続いていて、懐の深い川だということが分かった。かなり奥まで入って山岳渓流の様相になるかと思いきや、川の様子を見ると相変わらず同じような流れ、しかももうほとんど水量がか細くなっている。これではさすがに無理だろうということで引き返し、最初にやったやったところとの中間点の辺りのわき道に入ると、丁度道が河原まで通じていてすぐ前がいいポイントになっていた。

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これでは随分釣り人が入っていることだろうと思うが、今更別な場所を探すほどの知識も時間もない。
 そのすぐ前のポイントを探るとほぼ最初に入ったところと同じ反応。小さなヤマメだろうがなかなか鉤掛りしない。ここまで上って来ても状況は変わらずか。やはり行きつけない川を釣るというのは難しいものだと改めて実感する。
 上流に行くと河原を渡った車の後が付いていてびっくり。釣り人かどうかはわからないが車で川を遡ったのだ。ポイント的には期待できそうなところはあったが、反応は同じであきらめて戻ると、Fさんは、処置なしという感じでゆったり煙草をふかしていた。
 そのまますぐ下の橋の瀬、相変わらずのウグイとチビヤマメのかするような当り、その脇の流れで小さなイワナが釣れた時はやたらとうれしかった。

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 最後はブロック脇の深み、これまで例だと間違いなくウグイの居場所だが、ひょっとしてと思って流すと、やっぱりウグイ、これまでの一番の大きさ。やっぱりこりゃ駄目だということで終了。鹿に気を付けながら恋問まで戻る。

# by kimamani-outdoor | 2021-08-02 21:37 | 釣り

夏蝉の出迎え

 相変わらず雨が降らない。このままでは水不足で断水となるかもなどと心配されるほどである。という訳で川に変化を期待できるような状況でもなく、オリンピックが盛り上がっているし、ゆっくり家でテレビで観戦でもしている方がいいのでは、などという誘惑に打ち勝って週一のお勤めに出かけることにする(笑)
 もう今更何かを期待することもなく、ただ単なるルーティンのごとくいつもの場所に車を止めて外に出ると、暑気を更に掻き立てるようなジーという夏ゼミ、アブラゼミ?の声が聞こえてきて、遠い子供時代の夏休みの記憶がよみがえって来た。あのころは暑さも気にせず外で虫取りに賭け回っていたのだ。それを思えば何のこれしきの暑さ、と多少の元気をもらった気がした。

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 11時過ぎといういつものごとくやる気の薄さが分かる時間からフラットな流れで開始。途中トビケラが木の枝から飛び立ったがこの時期に羽化する種類もいるのだろうか。もうどこも浅くなって川底があらわになって、これでは魚が隠れる場所もなさそうだ。今日も難しい時間からの開始となってしまったと思って準備をしていると、時折パシャ、パシャっと気まぐれのライズが起こっている。

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 まずはそれからいただこう、少なくともそこに魚はいる。まずは岸際の大物が付きそうな流れ。アント系の毛ばりを何度か流すと反応があった。残念、大物ではなく23センチくらいのニジマスだが、やはり最初の一匹の顔を見るとほっとする。やっぱりやみくもにキャストするよりは、ライズのある所を探った方が効率的だ。

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 それでまずはライズがあったところを順に狙うことにする。岸際の木の下の日陰の流れ、苦労するかと思ったが意外と簡単に毛ばりを食った。引き具合と場所から、てっきりアメマスだと思ったのだが27、8のニジマスだった。それでも少しサイズアップしたのがうれしい。
 さらにその少し上流の同じような木の下でライズを見つける。以前いいアメマスが出たポイント。魚を脅かさないように慎重にキャストすると何度目かでこれもわりとあっさりと毛ばりを食った。今度こそアメマスに違いないと思ってネットに入った魚を見ると、30くらいのニジマスだった。こんなところにもニジマスが付いていると少しびっくり。久々の30オーバー、ひょっとして今日は前回よりはいいかも、としたらなぜだろう、さっきのトビケラのせいかなどと考えて見る。

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 辺りにライズが無くなったので下のポイントへ。流れがわりに速いのでカディスで探るがなかなか反応が無い。流れ込みの部分でやっと25くらいのニジマスが鉤掛り。やはりこんな時間でも上を向いている魚はいる。岩の後ろの乱れた流れの中では激しいバシャッという反応。水音の大きさからサイズの良さが伺われたが、寸前で見破られたのか鉤掛りしなかった。その後いろいろ毛ばりを替えて試したが反応なく、どこかに移動したのかもしれない。夕方もう一度来てみようと上流に向かう。
 今日も暑いが台風の影響か風が強い。キャストには苦労するが涼しくていい。しばし水分補給して休憩。ここからは流れが速いので、いつもはあまりやらない岩の後ろや、少しでも流れが緩くなったところを狙っていく。 しかしあまり反応が無く、ふと上流を見ると対岸に立ち込んで竿を振っている釣り人が見えた。どうやらフライの人らしい、どこから入ったのだろう、上流から下って来たのだろうか、このまま挨拶してすれ違おうと上っていくと、その人は再び上流の方に戻って行き姿が見えなくなった。

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 ひょっとしてここからはもうやった後かなぁなどと思いながら探っていく。そうだとしても、すべてをやりつくしたわけでもあるまいと思いつつなんとか一匹と探っていくが、なかなか反応が得られない、たまに反応しても鉤掛りしない。
 以前いいサイズが出た、速くて少し深めの流れ、その流れもかなり浅くなっている。何度か流すと反応があるがやはり鉤掛りしない。厳しいなぁと思いつつ見ていると、突然何を思ったかまずまずのサイズの魚がジャンプした。

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いったい何のためのジャンプだろうと思いつつその辺りをダメもとで探っていると、すっと毛ばりが飲み込まれたように見えた。食ったのか?合わせると鉤掛かりしたようだ。出方からはいいサイズに思えたが、ラインを回収すると素直に近づいて来るのでそうでもないかと思っていると、突然下流の岸際の木に向かって走り出した。やっぱりそんなに小さくはなかった。なんとか根に入られないようにこらえるが何度も潜り込もうとする。まだしばらくは緩やかな流れなので慌てない、慌てない。なんとか岸からなんとか中央に引きずり出せた。しばらくそのまま持ちこたえていると、ようやく疲れたのか抵抗が止んだので掬い上げると、40と少しのきれいな栄養状態の良さそうなニジマスだった。さっき跳ねた奴だろうか。これだけ渇水で厳しい中でよく出てくれました。

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 もうこれで十分だったのだが、一応前回と同じく引き返しポイントまで上って、下りながら探っていくが、やはり同じようにほとんど反応が無い。結局釣れたポイントまで戻っても釣れたのは最初の一匹だけだった。やはりさきほどの釣り人がやった後だからだろうか。時間ももう5時を回ったので、まぁもういいやと引き返しながら探っていくも、見ていないうちに食った一匹だけだった(笑)
 後は昼にいいサイズらしき反応があった流れを試せれば今日はいい、とそこまで戻ってみたが、やはりもう反応はなかった。流れ込み付近で2度毛ばりに出たが早くて鉤掛りせず、やはりこのポイントは厳しい。
 最後に前回ライズが激しくなったフラットな流れ、今日は前回ほどではなさそうで散発的にとどまっている。そこでやっと一匹25くらいの元気なニジマスが釣れたのを最後に引き上げることにする。なんだか今日は暑さのせいか、疲れて暗くなるまでやる元気はない。それにしても今日もアメマスとヤマメの顔が見られなかった。こんな、時彼らはいったいどこにいるのだろう。

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# by kimamani-outdoor | 2021-07-28 21:14 | 釣り

 それにしても暑い日が続く。すっかり釣りに行く意欲減退だ。おまけに雨が全く降らないのだから、いったい今年の天気はどうなっているのだろう、魚はまだしもさぞかし植物たちも大変だろう。峠を越えると畑にはスプリンクラーが回っていた。
 今日は中流域の様子もみようかと思ったが、こんな暑い時にあくせく動き回るのもなんだし、上流域でのんびり一日過ごして見ようということでいつもの場所に入ることにした。

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 10時過ぎ、むせ返るような地面からの照り返しから逃げるように川へ。その姿を見るとすっかり渇水状態になっいるとは言え、やはり水の流れる景色からは何故かホッとするものを感じた。遠くからジーンと聞こえて来るのは、もう夏ゼミのようだ。家でうだうだしていないで来て良かった。

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 まずはフラットな流れを小さな甲虫系、あるいはアント系の毛ばりで探るとすぐに魚が反応。20位のニジマスだがとても元気が良く、こんな暑さが続いても健在だと嬉しかった。続けて5㎝ほどサイズアップしたニジマスの力強い引き、前回より少し反応良く感じるのは時間が少し早いせいだろうか。

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 少し上流の方で小さなライズ発見。継続しているところを見るといいサイズかもしれない。慎重にキャスト、ライズしたところから少し下の当りでゴボッと出た。しかしどうも途中でやめたらしく鉤掛りしていなかった。残念、見切られたか。その後何を投げても反応せず、もう警戒して移動したか。やはり水が少ない分どうしてもこういうフラットな流れでは脅かしてしまいがちだ。
 夕方もう一度様子を見て見ようと下流へ移動。ここも小さいが2匹ほど反応してやはり前回よりいいように思える。サイズさえ気にしなければそこそこ反応があって楽しい。
 昼頃、上流へ移動、いよいよ暑くなって来て水分補給、ここからなかなか反応が無くなった。場所なのか、時間なのか。いずれにしてもこれは前回の釣行で織り込み済みだ。丁寧に細かい所を探って行こう。そう覚悟を決めればこの川を上っていくのはまたそれなりに楽しい。いったいこの流れのどこに魚はいるのだろう。緩やか流れて2度ほど鉤掛かりしたが外れてしまった。それでも魚がいることが分かればうれしい。
 3時を過ぎてようやく暑さも少し和らいだか、ザラ瀬から緩やかな流れの、大きくはないがスレた魚の良く付いている場所。何度か探っているとやっと20位のニジマスを手にすることができた。やっとまた魚の顔が見れた。もう一匹釣れてそろそろいい時間になって来たのだ
ろうか。深みのある早い流れでも反応、なかなか鉤掛りしない場所だが、ここでも25センチほどのニジマスがしっかり毛ばりを飲み込んでいた。前回40オーバーが出た場所は反応が無いが、もう少し後からもう一度やってみようと、今日は更に上流に上ってみる。

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 水量のある時なら結構遡上に苦労する場所だが、今日は楽だ。目的の所まで岸際を上ると後は下りながら、対岸の岸際や、流れのある流心を探る。すると水面でたまにライズが見えた。そろそろいい時間か?水深もあるので大きいのもいるのでは?その辺りを何度も流して見るが毛ばりには反応してくれなかった。むしろ岸際の方が時折反応する。
 5時近くになって再び、前回大物が出た場所へ。今日はライズが起こるだろうか?しかししばらく待ってみたが何事も起こらない。
少し反応が増えた程度。肝心の虫がほとんど飛んでいない。そろそろ本当にこれからしばらくは水生昆虫は種切れか?これからは陸生昆虫に頼るしかないのか?
 仕方がない、そろそろ夕暮れも近いし最初の場所に戻りながら探っていくとしよう。見やすいカディスに毛ばりを替え、前回追い食いした早い流れと遅い流れの境目は反応なし。やっぱりもうカディスじゃないのか?

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 早い流れの岩の後ろ、少し流れが緩やかになったところを流すと、過ぎ去った毛ばりを追うようにして食うのが見えた。大きくはないがこういう出方はドキッとしてうれしい。まだカディスは通用するのか。

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 しかし緩やか流れでは見切られているのか、毛ばりに反応しても鉤掛かりするにはいたらなかった。たぶん多少早い流れの方が見破られずに済むのだろう。それにしても今日は不思議とニジマスばかりだ。山女魚はどこに行ったのだろう。
 6時を過ぎても前回反応のあった流れ込みや、ライズのあった深みも静かなまま。必ずしも夕まずめがいつもいいわけではないのだ。結局今日は30以上の魚を手にすることはできなかったが、夏らしい清涼感のある溪を歩き、それなりに反応もあったし、ドキドキもしたので楽しい釣りであった、そろそろ引き上げるとしようか、とフラットな流れを見ると静かなライズが散発的に起こっている。
 午前中いい魚の反応もあったことだし、ここはもう一度気合を入れ直してやってみるか。小さな最初の毛ばりに戻してライズ付近を探る。しかし、毛ばりが違うのか、浅いのですぐに魚を脅かしてしまうのか、なかなか反応してくれない。やっと反応して釣れたのは20位のニジマス、やっぱりこのサイズか。それでも静かなライズは時間を追うごとに増えていく。しかしもうほとんど毛ばりは見えないので毛ばりのある辺りで飛沫が起これば合わせる勘合わせ。それにしても何を食っているのだろう。もう暗いのでさっぱりわからない。昔こんな夕暮れのライズに翻弄されたことが楽しく思い出される。そのうちにライズの中に時折バシャというような激しいものが混じる。食っているものが変わったのだろうか。何とか取れたのは20位のウグイと25位のニジマス。最後は飛沫すら見えないので音合わせ。毛ばりを外すのもままならなくなってきた。そろそろ引き上げ時だ。こんなに暗くなるまで釣ったのは久しぶりだ。それにしてもこんな遅い時間にライズするなんて参ったなぁ。あのなかに大きいのも混じっていたのだろうか。車に戻った時はもう7時をかなり回っていた。

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# by kimamani-outdoor | 2021-07-21 21:28 | 釣り

 このところやたら晴れて暑い日が続く。晴れるのはうれしいが、こうずっと続くのもちょっと困りもの。そのせいもあってなんだか釣りに行くのも気が進まない。暑いのは目に見えているし、あまりいい結果が出ないというのも予想が付く、とグズグスしていたが、まぁ週に一度のお勤めくらいの気持ちで出かける。
 晴れ渡った陽射しにじりじり焼き付けられるようなジャガイモ畑は、それでしおれたとでもいうように花の盛期をすぎつつあるようだが、それに比べてトウモロコシや、大豆の緑が育ちつつあるようだ。

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 時間はもうお昼に差し掛かり、いつもの場所に車を止めて準備をしていると、大地に吸収された熱気がむせ返るようで暑い。早く川に向かわねば、熱中症になりそうだと急いで準備。しかし川岸に立っても多少涼しいといった程度、体に降り注ぐ太陽の熱の方がはるかに大きい感じだ。水量もずいぶん減って少し心細い。

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 さあこの状況で魚はどうしているだろうと準備しながら水面を見ていると、フラットな水面がパシャリ。すかさずキャストすると20と少しくらいのヤマメが釣れる。こんなところでヤマメがと思いつつ、幸先のいいスタートだ。

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 今日もいい釣りになるかもなどと思いつつ下の流れを探っていくが全く反応のない時間が続く。いつもなら小さいのでも、スレたのでも、何かの反応があるところだが全くの沈黙。
 これはいよいよ夏の釣りになってきたと言うことか、そうやってあたりの景色を見るとほとんど飛んでいる虫も見られない。これだけ虫が少ないのだから反応する魚が少ないのも当然か。今日こそは厳しい釣りになりそうだ。そう思うと太陽の日差しが余計に暑く感じる。その後、はねたところへすかさずキャストすると25㎝くらいのニジマスがすぐに反応。

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 けれどそれ以外の良さそうなポイントでは全く静まったまま。その後やっと20位のニジマスが釣れて、上のポイントへ。その間、水面に目を凝らしたが、この夏の日差しにじっと押し黙ったままだ。前回あれほどライズのあった場所も何事もなく、間違いなく当りのある流れ込みの部分も全く反応なし。
 これほど厳しいとは、もうこれは数少ない、上を向いている魚を丹念に探していくしかなさそうだぞ。前回のちょっとイージーな釣りの意識を切り替えなければだめだと覚悟する。
 全く静かな水面に目を凝らしながら石裏のよどみ、ここにいないならどこにいるというような場所。久しぶりやっと反応があった20ほどのニジマスが釣れた時はやたらうれしかった。
 ザラ瀬から深みのいつものスレ鱒の居場所では一瞬反応があったが、それっきり。岸際の静かな流れで小さなライズ。ここは木陰になっていてその中に入ると涼しい。何度かライズしたところをみると、ひょっとしたらいいサイズかもと思って、ライズ付近に静かにキャスト。これも一瞬出たが鉤掛りせず、脅かしてしまったのか二度と出てくれなかった。

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 少し深みのある早い流れで小さなニジマスがやっと反応して釣れてくれる。見るとちょこちょこだが散発の小さなライズがあるようだ。時計を見ると、もういつの間にか4時を過ぎ、やっと良い時間になって来たのかもしれない。
 早速ライズがあった付近を狙うと、一瞬の反応はあるのだが鉤掛りしない。これは見切られているというような反応だ。何度か釣られて
警戒心が強いのだろう。テレストリアル系の毛ばりに替えていろいろ探りを入れるが、もうほとんど反応しない。せっかく今日初めてライズらしいライズを見てチャンスなのに。それでは前回のカワゲラの毛ばりでと流して見ると、反応したのは20位のニジマス。やっぱりこれか、小さいがやっとライズが取れたといううれしさがあった。さらに岸際でライズしていた奴もすぐに反応して、今日一番の27センチくらいのニジマス。これはしっかり鉤掛りしていた。なんとかこの時間になって反応が出て来て、このサイズが取れたので良かった。やはり鍵は時間だったのだろうか。
 この分なら下の方でもいいライズが起こっているかもしれない。そろそろ切り上げてそちらに行こうと最後に岸際の、速い流れと遅い流れの際に毛ばりを落としたところ、ピシッと小さい出方。合わせると垂直にジャンプ、えっ結構いいサイズだよ。引きも結構な強さで、上流に向かったり、石を巻いたりこちらを翻弄する。これはもう外されたかと思ったらなんとか魚は付いていた。ネットに入ったのは41、2のニジマスだった。まさかこんなところにこのサイズの魚が付いているとは思わなかった。多少傷ついているのは釣り人によるものだろうか。

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 それを潮に下流に向かいながら所々ポイントを探ると、昼の時間が嘘のように反応がある。やはり早い流れと緩い流れの境目で、フラットな流れの水面で、流れ込みで、どこも昼間やってまったく反応なかった場所だ。
 最後に前回ライズがたくさんあった流れで、やはりライズが起こっていた。何度か流してやっと鈎掛かりしたのは25センチくらいのヤマメ。相変わらずここは厳しいが釣れて良かった。残りのライズもヤマメなのだろうかと思いつつも、いつの間にかライズも静まってしまった。時計を見るともう七時近かった。

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# by kimamani-outdoor | 2021-07-14 21:37 | 釣り

 先日一回目のコロナの集団予防接種を行ってきた。予防接種など種痘以来だが、まさかこの年になってこうした事態に出会うことになるとは思わなかった。実に整然と多くのスタッフが会場を整理していて驚いたが、こんな無益な者から接種を行ってくれることが申し訳ないやら、有り難いやらである。
 8日、そのせいか今日は何やら左肩が痛く、多少気だるい感じがする。といってもこの年になると調子の悪いのはしょっちゅうのことなので、果たしてこれが副作用によるのか、単に体調不良なのかよくわからないのである。
 ということでそれを吹き払うには川の風に当たるのが一番、ということで釣りに出かけることにする。ますます咲き誇るジャガイモの花畑を過ぎていつもの上流域に向かうと、もう時間も昼近くになっていたので既に釣り人の車が止まっていた。
 しかたなく対岸の別な場所に車を止めて少し歩く。あまり人の歩いた跡がないのは釣り人にとっては有り難いが、しかしイタドリや蕗をかき分けていくのは難儀だ。

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 いつもの大場所から入るが、すっかり水が減ってどうやら釣り人らしい影はない。もうここに来たのは二週間前、その時は大した反応もなく、その間それほどの雨も降らず、これから夏に向かう厳しい時期に入ってきていることだろうと、それほどの釣果は期待していなかった。
 ところが最近反応のない流れ込みの部分を準備しながら見ていると、何やら時折小さなライズが起こっている。今日は魚が入っているのか?とまずはいつものカディスから開始。
 けれども本当に岸ぎりぎりでライズしているので、なかなかうまくそこへキャストできず、またうまくいってもドラックがすぐかかってしまう。少しぐらいずれても食う時は食うのだが、別のものを捕食しているのか、それとも完全にその流れの筋でなければ食わないのか?
 まずは毛鉤を変えずそのレーンを流そうとキャストしていると、偶然その流れに毛ばりが乗って流れると、すっと吸い込まれるように毛ばりが消えた。食った!合わせると垂直にジャンプ、まずまずのサイズだ。ティペットも確認したし外れさえしなければとれる。何度かやり取りしてなんとかネットに引き入れた。

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40弱のニジマス、ここでこのサイズが出たのは随分久しぶりだと喜んだのだが、この魚、結構元気でパワーもあったのだが、尾びれも掛けているし、鳥にでもやられたのか魚体の片方が傷ついて痛々しかった。今までこういう魚はあまり見たことがなかったのだが。折角回復のため餌をとっていたのに、なんだか無駄な労力を使わせて申し訳ない気持ちになった。
 その場所を見るとまだライズは続いていたので、再度狙う。しかし魚もさるもの、ちょうどドラックのかかりやすい場所でライズしている。何回も打ち直してやっと取れたのは23センチくらいのヤマメ2本。こちらの魚体はきれいだった。これくらいになるとヤマメはまずまずのサイズに感じる。

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 どうやらライズが収まったので下のポイントに移動。こちらは既に先ほどの車の人がやった後かななどと考えながら探る。まずはフラットな流れを探ると、小さなホウライマスが反応してくれた。ホウライマスは今年初めてでうれしい。

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あまりこだわり過ぎないようにしようとやっていくが、下の速い流れでそれでも20数センチのニジマスとヤマメが釣れてくれる。もうこんな瀬にも魚が付く頃になったのだ。
 早々に切り上げ、最初のポイントの上を探ってみようと戻っていく途中、少し深めの流れでライズか起こっているのが見えた。時計を見るとまだ4時、ここでライズを見たのも久しぶりだ。大きいサイズが釣れたこともあるので胸が高鳴った。
 まずはカディスで30ほどのニジマスが掛ってくれた。これも元気いっぱいのファイトだったが、魚体が最初の魚ほどではないが傷ついていた。何かこの場所に原因があるのか?

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 まずは幸先がいい、まだライズは続いているし、中には大きいのではと感じさせるものもある。これはいただきだと思ったらその後は毛鉤に反応しない。食っているものが違うのか。見るとちらりほらりとカワゲラが飛び始めている。こいつか?そうかまだこいつが残っていてくれたか。しかもその数は着実に増えている。あまりに似たバリはないのだが、とにかく細長いシルエットのものを選んで探る。しかし毛ばりは素通りばかり。一応カゲロウ系や小さなテレストリアル系の毛ばりも流して見たがやはり反応が無い。ひょっとして水面下のものを捕食しているのか?
 しばらく色々な毛ばりを試しているうちに、途中からだんだんあきらめの気持ちになった。これはどうも自分の持っている毛ばりではだめのようだ。あるいは流し方の問題か。しかし滅多にないこうしたライズと遭遇する時間は楽しいものでもある。
 結局その後は何事も起こらず、夕暮れが迫りライズも減って終了の時間となる。やっぱり最後まで自分の毛ばりに反応することはなかった。終了間際、対岸にカワウソのような動物が姿を現わしたが、こちらの姿を見て引き上げて行った。ひょっとしてここの魚を傷つけた犯人はこ奴ではないだろうか。これは明日も来て、このライズを攻略しなければなるまいと車の中で考えながら帰った。

 9日 結局、取れなかった原因は、実際のカワゲラにあまり毛ばりが似ていなかったせいであろうと、持ってきたカワゲラに似せて毛ばりを巻くが、果たしてこれであのライズを攻略できるか自信はない。というかできないだろうという予感の方が大きい。
 毛ばりを巻いているうちに、結局出発は昨日と同じ時間になってしまった。昨日と同じ場所に行くと今日は車がないのでそこから入ることにする。
 まずはライズのあったポイントの下の流れから。フラットな流れを探ると早速小さなニジマスが反応してくれる。こういうフラットな流れを釣るのは結構好きである。静かな水面が突然割れるのが楽しいのである。
 下の本命の流れはやはりあまり反応なくそこそこに引き上げるが、その上の流れ込みの、いかにもというところで20数センチのニジマスが釣れるのはドンピシャという感じで嬉しい。
 さてこのあとまずは昨日のライズのあったポイントの様子を見に行こうと上って行ったところ、カワゲラが水面10センチほどの所をパタパタと飛んでいるのが見えた。

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ああまたカワゲラが出始めたなと思ったら、突然水中から20数センチのニジマスが飛び出して水中に消えた。と同時にカワゲラの姿が消えた。これまで水面のカワゲラが飲み込まれたのは見たことがあったが、空中のは初めてで驚いた。ニジマスはこんな捕食の仕方もするのだと感心した。

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 少しあっけにとらわれていると対岸の岸際で小さなライズが見えた。散発だがライズが連続するのでひょっとしてと思って何回かキャスト。しかしなかなか食わない。毛ばりが違っているのかと思って見ていると、もう一度ライズ。どうやら位置がもう少し奥、岸ギリギリらしい。そこを狙って何回かキャストするが、上に木が張り出しているのでうまくいかない。偶然ひょいと何かのはずみでその場所の少し上に落ちた時、ガボッと毛ばりが飲み込まれた。来た!少し大きそうな出方だ。しかし引き方はどうもニジマスの引きではない。ひょっとしてと思ったらやはりアメマスだった。40くらいの少し黒っぽい感じのアメマス、イワナというべきか。この時期こんな上流でのこのサイズのアメマスは、早春、晩春の上って来るアメマスとは一味違ってうれしさ倍増だ。このサイズでもひっそりと岸際で餌をとっていたんだなあ。

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 もうこれで今日は十分だが、昨日のライズの無念さは残っている。まずはそのポイントまでと思って行って見ると、今日はまだ2時過ぎであるのにもうライズしている。取るのが難しくなる前にと、朝巻いた毛ばりをライズ付近に流して見る。すると何投目かでパシャと反応した。合わせるとなかなかの引きだが大きくはない。泳ぐ姿から30くらいのニジマスかと思ったらヤマメだった。尺までは行かないが、27センチと言ったところ、ヤマメもこのサイズになると風格がある。

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 しかしその後は反応もなくライズも収まったので、今日は昨日やらなかったさらに上流をやってみようと上る。やや深さのある平坦な早めの流れ、20数センチだがそこそこあちこちで反応がある。
 大物が出たポイントまで上がってみたが、既に水量が減ったせいか釣れたのはやはり同じようなサイズ。それでもここというポイントではほとんど反応があるのにはうれしい。特に岸際の速い流れで、流れ去った毛ばりを追い食いして食うのはとても活性がある感じでうれしい。
 さてそろそろ昨日ライズが始まった時間だと引き返す途中、あちらこちらに散発だがライズが見える。

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このポイントがこんなに活性化しているのを見たのは初めてだ。何匹かの魚が掛ったが、最後の一匹は流心付近で掛り、素晴らしいファイトをした。37、8cmと言った綺麗なニジマスだった。このポイントでこのサイズが出たのは初めてだった。もうこの辺りからいったい自分が何匹の魚を釣ったのかわからなくなった。とにかくこんなに反応があって素直に毛ばりに出てくれたのは初めてではないか。

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 さらに下の流れ込みで何匹か掛け、いよいよ昨日ライズのあった場所。しかし今日は昨日ほどのライズが見られない。あまり天気が良くないせいか、それとも日中だらだら捕食していたせいか。残念なような、少しほっとしたような。
 その少ないライズで掛かった魚は岸際に走ったり、足元をすり抜けたりと良いファイトをした30くらいののニジマスだった。しかし魚体を見るとやはり傷があった。それを最後にライズは少なくなり6時半終了。きょうのところは引き分けということにしておこう。


# by kimamani-outdoor | 2021-07-09 21:10 | 釣り