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雪の尻別川 撮り逃がした魚は大きい?

 行くべきか行かざるべきか、この時期はいつも天気予報とにらめっこ。後志地方を見るとどこも雪マーク。倶知安では積雪8センチの声。気温も0から1℃だという。真冬の時期ならいざ知らず、この季節の変わり目には厳しいなぁ。とはいえまだ竿を振れる状況で行かないのも癪に障る。
 この雪で状況がどう変化したか、まあドライブのつもりで行けるだけ行ってやれと出発する。
 予報とは違い札幌は晴れ、昨夜降ったのか、木にはまだ水分の多さを物語る雪の花が咲いてきれいだ。などとのんびり行っていられたのも定山渓までだった。圧雪とは言わないまでもどこで凍っているのかわからないような道、もうすっかり冬道の緊張感だ。

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 峠を越えると予報通り陰鬱な冬の曇り空が続いて、羊蹄山の所在すらもわからない。雪も多くはないが断続的に降り続いている。脇には真っ白な雪が積もっているが、それでも道路はまだ路面が見えて多少は融けているようで、真冬の島牧行脚よりはまだましか。
 普段よりたっぷり時間がかかって蘭越付近の尻別川に到着すると、もうこちらも河岸は真っ白な雪。準備をしているとさすがに寒くて毛ばりを結ぶ手も冷たい。なかなか戦意も上がらずサラッとやって上がろうと思う。
 久しぶりに10㎝ほどの雪をかき分けて川に到着すると、今日も多少水量は増えて、問題はないほどの多少濁った状態。雪が降って良いのは大きく濁らないことだ。

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 そろそろアメマスが出てくれないかと竿を振り始めると、ある程度やるしかないかと覚悟が決まる。寒さにも少し慣れたのか、手も最初のようにかじかんだ感じは消えて問題なさそうだ。時折雪が強くなると対岸の景色が霞んで見える。これはもうアメマスにふさわしい景色じゃないか。けれどもその雰囲気とは裏腹にポイント終わりまで行っても一向に反応はない。そううまくは行かないか。
 場所を移動して再び川に入ると岸の浸かり具合から随分増水しているのがわかる。できないほどではないが、こんなに増えていたのかと実感しつつ、これでは難しいかとも思う。予想通りここも反応なし。水が増えて魚のいるところに届かないのではと、錘を追加してみても同じだ。今日はこの周辺を探ってみようと思っていたのだが、久しぶりなので川の状況もよくわからないし、この雪では他の場所に入るのもなかなか難儀なことだなと、慣れた中流域に向かうことにする。たださすがにもうドライフライは無理なので、沈めてチャンスがありそうな、いつもより少し下流の流れに行ってみることにする。
 多少蘭越よりはましかと思いながらやってきたが、雪の量はむしろ多いようで、あまり車通りの少ない道は除雪も入っていないので、雪の中にくっきりと車の通った轍ができている。
 川岸付近に着くとまだ全く車が通った跡がない。これはいいことなのだろうが、しかしそんなところを車で突っ込んでいくのは不安なので、途中で車を降りて歩くことにする。ここは前回使った6番のフルシンクのラインを使ってやろうと準備する。ここも積雪はまだそれほどではないので歩くのは困難ではないが、風が冷たく気温が一層下がったように感じる。こんな寒々とした中釣りになるのかよと思いながらも、川に到着するとやはりそれなりに気分は高まるものだ。


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 ここに入ったのは確か今年初めてだ。果たしてどうなのだろう、以前いい魚を挙げたのはこの辺りだったかなと思いながら、流し始めて三投目くらいだったか、ドンとラインが止まる。なんだと思いながら竿を立てると首を振っている揺れが伝わって来る。魚だ!重い、結構なサイズだ。なんとか竿を持ち応えて魚が浮かんでくると大きな背びれと尾びれが水面に出てドキリとする。アメマスだろうか。このゆったりとした重い引きはたぶんそうだろう。一度下流にラインを引き出したが止まってくれた。あとは多少の持久戦、まさかティペットが弱っていて切れないだろうな、鉤が外れないだろうなと思いながら引き寄せるとやはり大きい。アメマスだ。慌てて取ろうとして何度か取り損なう、頭から取らないとネットに入りきらないのだ。ようやく魚の下に回り込んで頭の方から掬い上げるとなんとかネットの中に入った。久しぶりの大きさ、ずしりと重い。60くらいはあるだろうか?デカい尾びれがはみ出ている。大きな斑点はやはり海から上がって来た証だろうか。
 さてそれでは写真を撮らせてもらおうかと撮りやすそうな岸へのんびり移動していると、いきなり魚が跳ね上がった。アッと思う間もなくネットから飛び出して水の中にドボン。どこだと慌てて必死になって掴もうとしたが、魚の感触だけ残してすぐに水の中に消えていった。なんてこった、写真くらい撮りたかった。もっと慎重に扱えばよかったと思ったのも後の祭り。こんなチャンスめったになかったのにと、何かバラしたような喪失感が襲った。
 むきになってそのぽっかりと空いた穴を埋めようとするように、何度もまた流してみるがもう魚信はない。時折雪が強まると、辺りは一面真っ白にけぶり、もう帽子の庇の上にまで積もっている。だんだんラインが出にくくなってきたなぁと思って見るとガイドも凍っていた。もうそんな時期か。
 本当はもう1か所行ってみる予定で、その方がよかったのだろうがもう遅い、今日はここで終わるしかない。
 あーあ今日は魚の写真は無しだと思っていると、小さな当りらしきものが。確かに大きくはないが揺れている。さんざんやって駄目だったのに、神様が哀れな釣り人に恵んでくれたのか、30ほどのアメマスというよりイワナという方がしっくりとする小さな斑点だ。同じ場所なのに随分個体差があるな。

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 それにしても随分縮まってしまったなぁ。ナンテ贅沢言っちゃいけない。写真に収められるだけ有り難い。今度は逃げられないように慎重に撮影。よくぞ釣れてくれました。
 車に戻るまでの道、さらに雪の深さが増したように思われた。もうすっかり冬景色だ。
 帰りの峠はすっかり暗くなっての恐る恐るの運転。いくら車のヒーターが入ってもなかなか体が温まらなかった。

by kimamani-outdoor | 2017-11-16 21:16 | 釣り