人気ブログランキング | 話題のタグを見る

砥石山方面三角山 紅葉三昧

 この札幌の里にもすっかり紅葉が下りて来て藻岩山も彩り鮮やかだが、いよいよ茶からモノトーンの世界に変わるのももう間近であることを感じさせる。前回に訪れた砥石山のほうの紅葉はどうなったであろうかと訪れてみる。この山の紅葉の特徴は全体的に黄の色調が中心になっていることだ。何年か前に訪れた時はまさにその黄葉の真っ盛り、その葉を透かして陽が差し込むと当り全体が黄に染まっていた。それに何の落ち葉の香りなのだろうか、なんとも甘い酸っぱいさわやかな香りが辺りを包み込んでいた。
 再びそんな体験をしたくて砥石山方面に行ってみることにする。いつもの中ノ沢のコースから。こちらはアップダウンが少ないのと途中水の流れとともに歩くのが良い。登山口に着いたときはまだ車が止まっていなかったのだが、準備していると次々と車がやって来る。さすがに紅葉の季節だ。入り口の小さな滝の紅葉も良く色付き、流れる水との対比が美しい。

砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13210208.jpg



砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13241746.jpg


 時折風が強く吹くと一斉に落ち葉が舞い降りる姿は、まさにシャンソンの「枯葉」のメロディーを思い起こさせる。
 散り積もった落ち葉を踏みながら歩いていくと、あの懐かしい甘い香りが漂ってくる。その横を冷たい水が流れて落ち葉が沈んでいる。この時期、丁度方角がいいのか谷あいに朝日が入って木々の葉がきらめいている。


砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13221611.jpg

砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13250769.jpg

 ほとんど平らな道をしぱらく小川沿いに歩くと、尾根の小林峠との分岐へ向かう、九十九折のちょっとした急こう配が現れる。こういうところはとにかくゆっくりと何も考えず登る。冬に来るといつもここでリタイア―となる。今回はそれほど労せずして分岐に到着、一休みしていると、小林峠の方からも続々と登ってくる人の鈴の音や話し声が聞こえて来る。やはり今日は山頂は随分賑わいそうだ。
 分岐から多少下って再び登ったあたりが以前黄葉の光に包まれた場所だ。たくさんの落ち葉が散り敷いた道を歩くと、カサコソと音がして脚には柔らかい。

砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13262606.jpg

砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13274299.jpg


 記憶よりは今一つという感じがしたが、逆に記憶の方がより純化されて塗り換えられているのかもしれない。それでも葉を透かして優しく降り注ぐ陽射しが心地よい。この辺りの樹種は何なんだろう、とにかく葉が赤くなる種類が少ないのは確かだ。それでもその中に時折赤を見つけるとハッとさせられる。びっしり下に敷かれているのは大きな朴の葉が多いようだ。愚かにも以前、自分はてっきり柏の葉だとばかり思っていたのだが。朴の木々を見ると葉はもうわずかにやっと残っているばかりだ。

砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13290440.jpg

砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13295044.jpg

 黄葉の回廊を抜けて少し上ると三角山の山腹のトラバース。この木々の葉が落ちると藻岩山やそのすそ野の街並みがすっかり見渡される。こちらもすっかり秋に染まっているようだ。
 
砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13312757.jpg


 今日はそこから砥石山へは向かわず三角山の頂上までで終わりにしよう。もう十分に黄葉を堪能したのだから。
 最後のちょっとした登りを終えると三角山の山頂。先客が二人休憩していた。前にはもうすっかり葉が枯れた、砥石山に至る峰が見渡される。山頂と見えたのは、実はまだその手前の峰らしい。

砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13323746.jpg


 一応区切りがついたのでのんびり降り始めると、これから登って来る登山客とすれ違うわ、すれ違うわ、団体さんあり、親子らしいグループあり、カップルあり、その度に道を譲るのも面倒になるくらいだ。これだけ登っていれば熊の心配もないだろう。
 多少雲が出てきたが、日も高くなって来て、陽の光の具合が変わるとまた紅葉の趣も変わるのがおもしろい。
 登山口に着くとずらっと車が10台以上は止まっている。小林峠からの登山者と合わせると、いったいどれくらい登っているのだろう。頂上で賑やかに昼食をとっている姿が思い浮かんだ。

砥石山方面三角山 紅葉三昧_b0366555_13332945.jpg

by kimamani-outdoor | 2017-10-15 19:41 | 山歩き