人気ブログランキング | 話題のタグを見る

砥石山 秋の気配に誘われて

 台風がそれてくれておまけの晴れの日曜日になった。そろそろ秋の雰囲気も色濃くなってきて近郊の山も涼しくなってきただろうと、運動を兼ねて久しぶりに砥石山方面に行ってみることにする。考えてみると今年は全然行っていない。
 7時少し前中ノ沢の登り口に着くと、全く車はなく、自分とほとんど同時にもう一台車がやって来た。挨拶すると山頂付近に雲がかかっていたのでどうしようか迷っているらしい、晴れますかねと聞いてくる。こちらは全く山頂まで行く気はなかったので天候はそれほど気にならない、そのことを伝えると、決意したらしく準備をして出発した。
 このコースの良いのは途中まで川のせせらぎの音を聞きながら登れること。途中から小林峠の分岐まで結構な坂を登らなければならないが。まぁその辺りまで登れば多少はトレーニングくらいにはなるかと出発。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17163175.jpg


 最初はほとんど登りがなく、散歩という感じだが、まだこの時間はやはり体があまり起きていないのか息が切れている。小川沿いの道には紫のトリカブトの花がちらりほらりと咲いている。トリカブトというと毒で少し怖いイメージだが花自体は可憐だ。今年は初夏のシラネアオイの花もすっかり見逃してしまった。谷あいの道なのでなかなか陽も射さずひんやりとしている。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17172054.jpg


 小林峠との分岐までのつづら折りの登り坂にさしかかると、とにかくあせらずのんびり何も考えずに登る。急ぎ過ぎると息が切れる。もう少しで尾根だと登っていくと先ほどの自分より先に登った方がもう降りて来る。少しずつ天気も回復模様だったので、どうしたんですかと尋ねると、水を忘れてしまったので、次回の楽しみにして引き返すとのことだ。それほどの登山ではないがやはり水だけは欠かせないか。こんなこともあるか。
 ただひたすらのんびり登っていると一時間ほどで小林峠との分岐まで到達した。少し休憩してさてこれからどうしようか、少しずつ体が動き出して調子が出てきたようだ。途中の三角山までは行ってみるかと出発する。
 せっかく登ったのに少しの下り、ここからはもう少し秋が深まると素晴らしい黄葉の道だ。樹種のせいか、赤はないが辺り一面が黄色く染まってその光の中を歩むことになる。けれど今はまだ葉は青々としていて、特に大きな朴の木の葉が空を覆っている。


砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17185309.jpg

 少し登るとそこからは少しずつ緩やかに登るトラバース。木の合間から札幌の街がうっすらと霞んで見える。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_18175360.jpg


 そこを登りきると三角山と砥石山との分岐。さてと予定ではせいぜい三角山に登ってそれで終わりとするか、けれどまだ時間も早いし体調も段々良くなってきた、久しぶりに砥石山まで行ってみるか。
 三角山に登ってからという選択肢もあったがそすがにそれは却下。三角山のすそ野を回りながら再び下りの道に入る。ちょうどその降り切ったところに松林と笹薮がある。大げさに言えば所謂三角山と砥石山の鞍部(コル)と呼ばれる部分だが、なぜここだけ植生が変わり木が無いのか不思議だ。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_10371820.jpg



砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_10432146.jpg

 ここからがやっと砥石山本体の登りとなる。それにしても随分登山者がいないなぁ。あまり少ないと熊の出没も少し怖い。登山道に蜘蛛の巣が張っていたりしてひょっとするとまだ誰も登っていない? 少し心細くなる。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17290419.jpg

 やっと砥石山の尾根にたどり着く。どうやら天気はどんどん良い方に変化しているようだ。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17212274.jpg

この尾根では何度かいよいよ頂上だと思って騙された。結構ここからも上り下りがあるのだ。左手には南区の街並み、右手には手稲山に連なる山並みが見える。空が開けてさあ今度こそ本物の山頂だ、陽射しも覗いている。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17243316.jpg


砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17270070.jpg

 9時少し過ぎに無事到着、やはり誰もいなかった。どうしたのだろう、いままで何度も登ったのだが、休日に人がいなかったことなどなかった。いずれにせよこんな静かな山頂は有難い。手稲山山頂は雲に隠れている。周りの山からすっと飛びぬけているのは神威岳だろうか、無意根はもうすこしで山頂が現れそうだ。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17255523.jpg

 十分にその静かさを味わって下山開始、今日は何かのイベントでもあるのだろうか、熊でも近くで出たのだろうかなどと、登山者のいない理由を考えながら降りていくと、やっと一人女の人が登って来る。上はがら空きだよというとその人も驚いていたようだ。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17314920.jpg

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17340384.jpg

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_10441426.jpg


 のんびりと降りていくとそのうち漸く三々五々と登山客が登って来る。中には結構な人数で、鈴の音を大きく響かせながらわいわいと登って来る。やっぱり結構な登山客だな、そうか考えてみるとこの近郊の砥石山に、朝の7時から暑くならないうちに、などと登って来る登山者は、さすがにそんなに多くはないんだと気が付いた。おかげでひっそりとした山頂を味わえたが。

砥石山 秋の気配に誘われて_b0366555_17302425.jpg

 11時頃駐車スペースに戻ると車は4台と意外に少ない。ということはほとんど小林峠コースからの登山者ということになるかな。自分としては小林峠からはアップダウンがありすぎてあまり好きではないが。
 次は黄葉の光をたっぷり浴びながらこの道を登ろう。


by kimamani-outdoor | 2017-09-03 17:34 | 山歩き