例年になく寒い日々が続いてさすがに外に出るのも億劫になって来た。「釣りに行きたけれども外はあまりに寒し」だ。少し早いがそろそろストーブリーグならぬアームチェアーフィッシングでしばしお茶を濁すことにする。暖かい部屋の中で過去の釣りを思い起こしてみたい。

 昨年は書きたい内容はすぐに決まったのだが、今年はどこから始めるべきか正直悩んだ。1990年代の海外釣行となると、最初の新鮮さも無くなったのか、1999年まできちんとしたメモや記録が残っていない。ならば川や項目ごとにまとめた方がわかりいいのかとも思ったのだが、少しずつ思い出しながらでも、年代ごとに追っていくのがやはり記録らしく、少しは生き生きとしたものになるのではと思った。同じ場所が年代ごとに何度も出て来てまどろこしくも思うが。

 ということで今シーズンはまず1990年のイエローストーン釣行から書きたいと思う。この釣行は前年度の釣行での数々の忘れ物を取り戻そうという旅でもあった。ただ先ほども書いた通りきちんとした記録が残っていないので、記憶や写真などに頼っての不確かなものにならざるを得ず、かなり時の経過によって薄められ、あるいは歪められ濃淡を付けられたものになっていることをご容赦ください。
 この年のイエローストーン釣行を調べてみると記録として残っているのは航空券と数少ない写真のみである。航空券によると8月7日に成田を出発して、8月13日にウェストイエローストーンから帰国したことになっているので5日間ほどの釣行だったか。この時初めてウェストイエローストーン飛行場を使ったらしい。この空港はウェストイエローストーンの街から近くて良いのだが、小さな飛行場で初めて乗る小型プロペラ機に随分びくびくした記憶がある。またアメリカの金持ちが自家用飛行機で乗り付けるちょっと腹ただしい飛行場でもある。
 たぶんこの時も前年と同じ旅行会社を使ったはずである。形としては日本人が案内してくれる点で同じだったが、ただ案内してくれる人が青山さんという若いエネルギッシュな人に変わっていた。渡辺さんはこの年もこの地に長期滞在しながら時々顔を出してくれたが。

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ナイスガイの青山さん イエローストーンリバーでカットスロート釣りの見本を見せてくれた


 この釣りで印象に残っているのは、初めて釣ったこのイエローストーン川ネイティブのカットスロート。前年釣りたくて果たせなかった思いがやっと叶いうれしくてたまらなかった。大きな忘れ物の一つ。北海道に来た本州の釣り人がニジマスよりも、アメマスやオショロコマをぜひ釣りたいという気持ちに似ているのだろうか。

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魚の見せ方が下手ですみません


 このことについては既に、思い出の釣り、イエローストーンへ(六) 1989 で書いたので繰り返さないが、このカットスロートという美しい魚との出会いもさることながら、夕暮れ公園内を流れるイエローストーン川の美しさ、そしてその静かな流れに起こる水面のほんの小さなライズと、それを狙って流れる小さな毛ばりのシルエットが一緒になって、一つの絵となってしっかりと自分の記憶の中に残されている。

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バッファローフォード付近のイエローストーンリバー 
         人気の釣り場で、岸の上から時折カットスロートが泳いでいるのが見える


 このこと以外に今でも記憶に残っているのが、青山さんと一緒に釣ったヘブゲン湖でのガルバーフィッシング。今は日本ではフローターという呼び方が一般的になっているが、まだそういう釣りがあることすら自分は知らなかった初めての体験であった。
 もう一つは地元のガイドとマッケンジーボートと呼ばれるボートでマジソン川を釣り下ったこと。初めて地元のガイドと二人きりで過ごしたのは新鮮であり、また緊張もした一日だった。
 またヘンリーズフォークで釣るという、もう一つの大きな忘れ物を取り戻すきっかけをもらうことができた釣行でもあった。

 まずはガルバーフィッシングで記憶に残っていることを書いてみよう。このガルバーとは英語で書くとgulper 吸い込む者、飲み込む者ということでここでは鱒のことだろう。静かな水面で16番から18番くらいのTricoトライコ、Callibaetisキャリベイティスといった種類のカゲロウが羽化するのを鱒が飲み込むときの音に由来するらしい。果たして実際にそんな音が聞こえたかは自分には判然としなかったが、チャプチャプといったカゲロウを飲み込む小さな波紋の行く先を予想して、そこへ静かに毛ばりを置くといった感じの釣りである。当然湖なので果たして次の波紋がどこで起こるのかはなかなか予想しにくいのだが、それがまた楽しい。ここぞと思うようなところに毛ばりが投げられても、次には全く別な方向に移動してしまうこともある。けれど予想がドンピシャと当たって毛ばりが飲み込まれた時の快感と言ったらない。それまで自分はあまり湖でこのようなライズにお目にかかることはなかなか無かったので、本当にワクワクした。(後に阿寒湖のモンカゲロウの時期と支笏湖のセミの時期、秋口にほんのたまに出くわしたことはあったが)
 またこのフロートチューブなるものがまた楽しかった。最近の日本のフローターはオールなどもついていて、Uの字型になっているようだが、その時のものは完全に閉じて浮き輪型でまさにタイヤのチューブ状態で、移動する手段は足ヒレのみであった。この足ヒレを付けて湖に浮かぶ浮遊感と言ったらなんとも不思議な感じだ。また視線が水面に近く、水面の様子がよくわかる。スピードこそ出ないがボートなどと違って、キャスティングをしながら自分の足ヒレを使って自由に方向転換できるのがいい。ボートだと漕げば当然キャスティングはできず、結構な水音を立てて魚を驚かすことにもなる。別に操船できる人がいなければなかなか難しい。
 ヘブゲン湖はウェストイエローストーの街の近く、マジソンリバーを主とした川の流れをダムで堰き止めた湖であるとのこと。この湖より上をアッパーマジソン、下をローアーマジソンと呼んでいて、その当時よく日本人の釣り雑誌の記事で出ていたのはローアーマジソンの方だ。
 このヘブゲン湖では秋口になると産卵のため大きなブラウントラウトがアッパーマジソンに遡上するという。ぜひ一度釣ってみたいとも思うが、11月ということなのでなかなかその時に訪れるのは難しそうだ。

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ヘブゲン湖 1999年のもの


 このヘブンゲン湖に身を浮かべ、ひたすらライズを追いかけながらキャスティングを続けて気が付くと、いつの間にかもう湖の真ん中あたりまで来ていたりする。果たしてこの時釣れたのかどうか写真もなくはっきりした記憶がない。ただ釣れたとしてもフロートチューブだと写真を撮るのが中々な難しくはあったのだろうが。その後この釣りが大好きになってしまったのだから、随分楽しい思いをしたのは確かだ。後年再びこの地を訪れた時には、なるだけ予定に入れようとした釣りだった。
 この時のチューブや足ヒレは釣具店からレンタルしたはずだが、随分気に入って荷物にはなったが、この年のお土産として買ってきた。日本に戻って来てから色々なところで活躍したが、最近は面倒であまり使わなくなってしまって、暫く物置の片隅に眠ったままでいるが。



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# by kimamani-outdoor | 2017-12-10 13:23 | 思い出の釣り | Comments(0)

 連日の雪と寒さですっかり気分は冬モード、そろそろ冬ごもりとしますかとも思いつつ、多少の暖かい日がやって来ると聞けば、まだ少しはと心が動く。考えてみるともう二週間近く竿を握っていないので禁断症状も出かかっている。
 今日、天気は後半崩れるというが、気温は結構上がりそうなので是が非にでも出かけることにする。もうすっかり雪道になった道路は、暖気で滑りやすくなっているようで却って怖い。むしろ圧雪の方が走りやすい。ドライバーもすっかり雪道に慣れて飛ばし始める頃なので、あまり迷惑がかからないように、追い越してもらえるようになるべくパーキングエリアに入るよう心掛ける。
 やっとのことで峠を越えて喜茂別の町に入ると、この時間では多少の暖気が感じられる。ここまではまだまだ晴天モードで久しぶりの羊蹄山も半分だけ顔を出してくれる。


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 5号線に入るとやっと路面も融けて顔を出して走りやすくなる。ただせっかく顔を出した晴れ間はどこへやら。果たして川へのアクセスはどうであろうか。雪で入りにくくなっているのだろうか心配だ。蘭越の街を過ぎて川に着くと雪は30センチほどだろうか、歩きにくく苦労はするが無理というほどではない。気温は前回に比べると随分暖かく感じられ雪漕ぎをすると少し汗ばむほどだ。
 心配だった川の様子だが、水は澄んでいて水位は前回よりは少し低くなっていて通常の感じに戻っている。これなら十分のコンディションだろう。もうアメマスの季節になってもいい頃だがな。
 最初の場所はゆったりとした深々した流れ、いつもどれくらい深いのかわからないのだが、毎年一本くらいは出てくれるポイント。しっかりと沈めながら反応を探っていく。今日はどうだろう、今日こそはと思いながら投げては引いてくるが全く当りがない。やはり今日もか、どうして? やはりポイントが変わってしまったのだろうか。
 これからは移動するのも結構大変だ。再び雪を漕いで別なポイントに移動すると息が切れる。

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 この分ではこちらも難しそうだなと思いつつ、あまりこだわり過ぎないようにサラッと流していく。途中で今年初めて、体が白く傷ついたサケが泳いでいるのが見えた。これだから鮭を釣るのはどうもあまり好きになれない。でもこれはひょっとして吉報か。
 以前虹鱒が出たのはこの辺りだったなと思いながら流していくがやはり今日も反応なし。ここで引き上げるかと思いつつ最後まではと少しずつ下って行く。一瞬根掛りの様な反応にもドキッとする。やはりなぁと思いつつ更に流していると再び根掛りのような反応。またか?と思いながら更に引くとゆらゆら動いている。えっ魚?大きくはないが確かに魚だ。なんだろう、この動きからするとアメマスだと思うが。ラインを巻きあげリールファイトにしようかと思ったが、そんな場合じゃない、まずは外れて後悔しないように取ること。それほど苦も無く寄って来たのでさっと引き上げると斑点の大きないかにもアメマスらしい魚体。37、8といったところか。鉤は鼻先にちょこんとかかっていた。やっと下流域でアメマスが釣れた。サイズは釣れてくれたからOKだ。雪にはアメマスが良く似合う。

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 一匹いたのだからと俄然気合が入って更に流し続けるが一度当りらしき反応があったきり。
まぁ一本釣れてくれただけで十分だ。ちょいと前回撮り損ねた中流域のアメマスが気になった。夢よ、もう一度とそそくさと移動する。
 もうすっかり暖かくなって時折小雨まで混じってくる。少し天気の崩れが早いんではないか。まあその分路面の心配はないが。
 さて中流域に到着するが心配した通りアクセスできそうな場所がない。雪はまだそれほどではないとはいえ、さすがにもう車で入って行けそうにない。
 ここで指をくわえて引き返すのも悔しいのでポイントまで雪を漕いで歩くことにする。幸いにもスノーシューを積んでいたので装着してみる。なかなか沈まなくていいぞと思ったのも束の間、自分の履いていた靴がつながったタイプのウェーダーは、靴が柔らかすぎてすぐに外れてしまう。これはウェーダーかスノーシューを替えるしかない。けれどあの分割タイプのウェーダーは、この寒い中では履くのが面倒そうだな。仕方なくスリッパのようにひっかけて歩くので余計に疲れる。

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 やっとのことで前回のポイントに到着するとかなり水量が減っている。やはり雪の影響で雨がなかなか流れ込まないのだろう。これはあまりいい兆候ではないように感じられた。川岸を伝いながら歩いていくのは、こういう雪の中では逆に楽で有り難く感じられる。
 さあもう一度来いと流し始めるが、やはり前回よりはかなり水深が浅く感じられる。来たのは確かこの辺りだと緊張しながら引いてくるが反応はない。やはりそうそうはないよな、と前回のことが随分幸運であったということが改めて実感される。さらに範囲を広げて探ってみるが全く反応がない。この中流域ではもうすっかり冬モードで魚は食餌を止めたのだろうか、それともたまたま入った場所が悪かったのであろうか。こうなると下流域で釣れたアメマスの有難味が余計に湧き上がってくる。あの辺りをもっと試してみるべきだったか。でも結局この場所をやらないままでは悔いが残ったろう。
 行きはよいよい帰りはこわい。魚が釣れないと雪漕ぎの疲れは倍加する。おまけに小雨も本格的になりだした。
 いよいよこの辺りもお休みだろうか、それともまだもう一度くらいチャンスはあるだろうか。

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# by kimamani-outdoor | 2017-11-28 21:18 | 釣り | Comments(6)

 行くべきか行かざるべきか、この時期はいつも天気予報とにらめっこ。後志地方を見るとどこも雪マーク。倶知安では積雪8センチの声。気温も0から1℃だという。真冬の時期ならいざ知らず、この季節の変わり目には厳しいなぁ。とはいえまだ竿を振れる状況で行かないのも癪に障る。
 この雪で状況がどう変化したか、まあドライブのつもりで行けるだけ行ってやれと出発する。
 予報とは違い札幌は晴れ、昨夜降ったのか、木にはまだ水分の多さを物語る雪の花が咲いてきれいだ。などとのんびり行っていられたのも定山渓までだった。圧雪とは言わないまでもどこで凍っているのかわからないような道、もうすっかり冬道の緊張感だ。

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 峠を越えると予報通り陰鬱な冬の曇り空が続いて、羊蹄山の所在すらもわからない。雪も多くはないが断続的に降り続いている。脇には真っ白な雪が積もっているが、それでも道路はまだ路面が見えて多少は融けているようで、真冬の島牧行脚よりはまだましか。
 普段よりたっぷり時間がかかって蘭越付近の尻別川に到着すると、もうこちらも河岸は真っ白な雪。準備をしているとさすがに寒くて毛ばりを結ぶ手も冷たい。なかなか戦意も上がらずサラッとやって上がろうと思う。
 久しぶりに10㎝ほどの雪をかき分けて川に到着すると、今日も多少水量は増えて、問題はないほどの多少濁った状態。雪が降って良いのは大きく濁らないことだ。

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 そろそろアメマスが出てくれないかと竿を振り始めると、ある程度やるしかないかと覚悟が決まる。寒さにも少し慣れたのか、手も最初のようにかじかんだ感じは消えて問題なさそうだ。時折雪が強くなると対岸の景色が霞んで見える。これはもうアメマスにふさわしい景色じゃないか。けれどもその雰囲気とは裏腹にポイント終わりまで行っても一向に反応はない。そううまくは行かないか。
 場所を移動して再び川に入ると岸の浸かり具合から随分増水しているのがわかる。できないほどではないが、こんなに増えていたのかと実感しつつ、これでは難しいかとも思う。予想通りここも反応なし。水が増えて魚のいるところに届かないのではと、錘を追加してみても同じだ。今日はこの周辺を探ってみようと思っていたのだが、久しぶりなので川の状況もよくわからないし、この雪では他の場所に入るのもなかなか難儀なことだなと、慣れた中流域に向かうことにする。たださすがにもうドライフライは無理なので、沈めてチャンスがありそうな、いつもより少し下流の流れに行ってみることにする。
 多少蘭越よりはましかと思いながらやってきたが、雪の量はむしろ多いようで、あまり車通りの少ない道は除雪も入っていないので、雪の中にくっきりと車の通った轍ができている。
 川岸付近に着くとまだ全く車が通った跡がない。これはいいことなのだろうが、しかしそんなところを車で突っ込んでいくのは不安なので、途中で車を降りて歩くことにする。ここは前回使った6番のフルシンクのラインを使ってやろうと準備する。ここも積雪はまだそれほどではないので歩くのは困難ではないが、風が冷たく気温が一層下がったように感じる。こんな寒々とした中釣りになるのかよと思いながらも、川に到着するとやはりそれなりに気分は高まるものだ。


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 ここに入ったのは確か今年初めてだ。果たしてどうなのだろう、以前いい魚を挙げたのはこの辺りだったかなと思いながら、流し始めて三投目くらいだったか、ドンとラインが止まる。なんだと思いながら竿を立てると首を振っている揺れが伝わって来る。魚だ!重い、結構なサイズだ。なんとか竿を持ち応えて魚が浮かんでくると大きな背びれと尾びれが水面に出てドキリとする。アメマスだろうか。このゆったりとした重い引きはたぶんそうだろう。一度下流にラインを引き出したが止まってくれた。あとは多少の持久戦、まさかティペットが弱っていて切れないだろうな、鉤が外れないだろうなと思いながら引き寄せるとやはり大きい。アメマスだ。慌てて取ろうとして何度か取り損なう、頭から取らないとネットに入りきらないのだ。ようやく魚の下に回り込んで頭の方から掬い上げるとなんとかネットの中に入った。久しぶりの大きさ、ずしりと重い。60くらいはあるだろうか?デカい尾びれがはみ出ている。大きな斑点はやはり海から上がって来た証だろうか。
 さてそれでは写真を撮らせてもらおうかと撮りやすそうな岸へのんびり移動していると、いきなり魚が跳ね上がった。アッと思う間もなくネットから飛び出して水の中にドボン。どこだと慌てて必死になって掴もうとしたが、魚の感触だけ残してすぐに水の中に消えていった。なんてこった、写真くらい撮りたかった。もっと慎重に扱えばよかったと思ったのも後の祭り。こんなチャンスめったになかったのにと、何かバラしたような喪失感が襲った。
 むきになってそのぽっかりと空いた穴を埋めようとするように、何度もまた流してみるがもう魚信はない。時折雪が強まると、辺りは一面真っ白にけぶり、もう帽子の庇の上にまで積もっている。だんだんラインが出にくくなってきたなぁと思って見るとガイドも凍っていた。もうそんな時期か。
 本当はもう1か所行ってみる予定で、その方がよかったのだろうがもう遅い、今日はここで終わるしかない。
 あーあ今日は魚の写真は無しだと思っていると、小さな当りらしきものが。確かに大きくはないが揺れている。さんざんやって駄目だったのに、神様が哀れな釣り人に恵んでくれたのか、30ほどのアメマスというよりイワナという方がしっくりとする小さな斑点だ。同じ場所なのに随分個体差があるな。

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 それにしても随分縮まってしまったなぁ。ナンテ贅沢言っちゃいけない。写真に収められるだけ有り難い。今度は逃げられないように慎重に撮影。よくぞ釣れてくれました。
 車に戻るまでの道、さらに雪の深さが増したように思われた。もうすっかり冬景色だ。
 帰りの峠はすっかり暗くなっての恐る恐るの運転。いくら車のヒーターが入ってもなかなか体が温まらなかった。

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# by kimamani-outdoor | 2017-11-16 21:16 | 釣り | Comments(6)

 寒さによる塞ぎの虫をなんとか吹き飛ばそうと久々に砥石山方面に向かう。時の流れは速いものであの紅葉の時期からもう一か月近くもたってしまった。
 前回の手稲山に比べて同じような高さだが、どこか裏山の様な穏やかさと親しみがある山道。
 いつものように中ノ沢コースから。もう9時を過ぎているのに止まっている車は一台だけ。あの紅葉の時の登山者の賑わいはどこへいったのだろう。あの頃の景色がが嘘のようで、すっかり葉の落ちた木々の間を見ながら水を含んだ落ち葉の道を進む。

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しばらく行くと落ち葉に雪が混じり始めて、尾根のとりつき付近になるともうすっかり雪道。深さは10㎝ほどだ。

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 けれども手稲山のガレ場のような緊張感は湧かない。雪に覆われた山のひっそりとした光景に浸りながら歩く。時折陽射しが射すと枝についた雪溶けて水滴となって輝いている。多少大き目の切片はハラハラと枝から落ちて来る。



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 尾根への急な斜面はまだ登山者を拒絶するほどではない。積もった雪がグリップとなって、却っていつもより歩きやすいくらいだ。手稲山のガレ場のような寒々とした気配ではなく、静かな山道の気配を味わいながらゆっくりと登る。これが本格的な冬になると、凄い急斜面のように聳え立つように見えるから不思議だ。
 小林峠との分岐まで来ると、今まで頼りなかった踏み跡が、かなりしっかりとしたものとなって来る。それでも登っている人はそれほど多くはないと見えて踏み跡の幅は広くはない。
 しばらく行くと秋の頃の黄葉の道。落ち葉はもうすっかりと雪に覆われてその下で静かに眠っているのであろう。

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 すると登山者が一人下りて来る。トレールランニングのような身軽な装いだ。山頂付近の雪の様子を聞いてみるとここより多少多い程度だという。「しっかりと道を付けておきましたよ」とのこと。こちらも「ありがとう」と笑って返す。今はまだ冗談だが、これからますます積雪が多くなってくれば、本当にラッセルしてもらえればありがたい。
 この一言でやっと心が決まる。まあ適当なところで引き返そうと思っていたのだが、砥石山とはいかないが、三角山の山頂までは行こう。
 葉が落ちてすっかり見通しが良くなって、普段は見られないような街の景色も見えてくるのはこの時期ならではだ。
三角山のふもとのトラバース、いつもの何でもないような斜面も、雪のせいで随分厳しい道に思えて来る。実際に真冬になればこの斜面を横切るのもきっと難儀なことだろう。

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 三角山の登りにも足跡がついていてこんな時には有難い。多少の雪漕ぎで頂上に到達。前回登った手稲山の山頂も木々の間から見えている。砥石山の尾根から山頂に至るラインも見えている。自分にはもうここも今年は見納めだ。

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 帰りの道は雪が適度なクッションになって却って楽だ。心地よい柔らかさを感じながら降りると、途中出会った登山者はたったの一人、静かな静かな山道だった。

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# by kimamani-outdoor | 2017-11-12 12:06 | 山歩き | Comments(0)

 今日は連休中の寒さも終わり朝から穏やかな天候で気温も上がるという。それなら釣りに行くか、と出かけられるのは隠居暮らしの気安さだ。
一刻を争う通勤ラッシュの車の中、のんびり行けるのは有り難いというか申し訳ないというか。
 暖かいせいか峠付近もまるで春霞でもかかったような景色。滑る心配もしなくていい。

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 のんびりと喜茂別のコンビニで買い物をしていると、救急車と消防車が峠方向に向かっていく。これはたぶん事故でも起こったかと思い、後でニュースを見ていると、大破した車が映り、カーブ逸脱による正面衝突で1人死亡、という痛ましい事故であったらしい。もう少し遅ければこちらも巻き込まれていたかもしれないと恐ろしくなる。
  ただその時はそんなことも知らずに、のんびりと蘭越へ向かう。峠を越えると気温が下がったせいなのか、空気も少し澄んできたように思う。この時期特有の朝霧も見える。

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 長閑な陽射しを受けながら蘭越の町に入る。今日は少し新しい場所を探ってみるかと思ったが、今年の流れの具合もよくわからないので、急遽行き慣れた前回の場所に変更する。また6番のフルシンクラインも試してみようと思っていたのだが、この川幅では少し心もとないので、いつもの7-8番のシューティングヘッド。成功体験からなかなか離れられない。チャレンジ精神が足りないなぁ。
 準備を終えて川に到着すると、水も落ち着き透明度も上がって期待を持たせる流れだ。

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 さあ今度こそと思いつつキャストを繰り返すが一向に当りはない。ただ前回ほどの落ち葉がひっかかることもない。さあいよいよこの辺りでいつも当りがあるのだがと思いつつも、やはり今回も何事も起こらない。やはり今日も魚が入っていないのだろうか。
 あまりこだわり過ぎないようにまた下の流れに移る。ここも一度釣れてしまうと妙に期待してしまうから不思議だ。暖かい日差しの中キャストしてラインを引いていくのは気持ちが良い。けれどもこちらも同じように当りがない。やはり前回と変わらずだ。こうなるとせっかくのいい日和なのに、今日もボウズなのではないだろうかという不安がまた蘇って来る。前回だってぎりぎりの瀬戸際だったのだから。

 今回はすぐに迷わず中流域に移動する。同じ沈めるのならまだ大きく場所を変えた、こちらの方がまだ可能性がありそうだと考えながら、ひょっとしてこの11月の穏やかな日なのだから、もう一度ドライフライを試さない手はない。どうせなら毒を食らわば皿までだ。ちょっと違うか?
 結局前回と同じ場所に入ってしまう。なんて工夫のない。
 今日は周囲の葉を落とした木々が、かえって陽を呼び込んでくれるように感じられるような暖かな日だ。それでも水量は前回とは変わりなく多い。水温を測ってみると8度と前回と変わりない。ただ今回はフルシンクラインを試すことも考えて、6番のスイッチロッドを持っていくことにする。また前回はティペットを切られたので、一段階太い4Xを結んでみる。果たして魚の反応はどうだろう、もちろん反応があればの話だが。


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 いつもの流れの筋を流していくとチビヤマメらしい当り、まだ水面に、しかもこのティペットの太さでも出てくれると確認。ただ出たのは一度きりでそれ以後は同じ場所では反応なし。そこで別なところを探るとここでも小さな当り、かすかに重みがかかったように思ったがすぐ軽くなる。今日は当りが続いて反応がいい?と再び流すと毛ばりが飲み込まれて、合わせると今度は鉤がかりした。20数センチの小さなニジマスだったが、魚の顔が見られてうれしく、そして忍び寄る坊主の圧迫から解放されて楽になった。

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 前回は全く水面では釣れなかったのだから、今日の方が状況はいいのか?けれどもそれ以後色々探っても、もう当たりはもうない。
 一応前回切られた所も試してみるかと移動する。まだ1週間もたっていないのだから、多分出ないだろうなとは思いつつ確認せずにはいられない。相変わらずゆったりとした流れで、出てもいいように思うが反応なし。次第に前回出たところに近づくとドキドキしてくる。緊張しながら慎重に流していると再び毛ばりが飲み込まれた。出たと思って合わせた瞬間斜めにジャンプして魚が姿を現した。最初のよりは大きいがそれほどではない。それにしても随分元気が良く泳ぎ回っている。急いでネットで掬い上げた途端に毛ばりが外れていた。ふっー取れて良かった。30はないがこの時期だから自分にとって十分なサイズだった。

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 ここで出るのだから確かに前回より状況は良いに違いない。それにしてもすっかり場荒らししちゃったなぁと、まだ前回の未練が吹っ切れていない。最後になるかもしれないニジマスの写真をたっぷり撮ってお別れした後、もう一度戦線復帰。
 さっきのジャンプで、もしいたとしても逃げちゃったかな、もう前回ですっかり懲りてしまったかななどと思いながら再び探る。もう前回出たところ付近はあらかた流し終わってしまって、やっぱり無理だよなと思いつつ、岸よりの流れを何気なく流した。すると突然水面が割れてジュボッと毛ばりが飲み込まれた。


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 出たのか!すかさず合わせると、ずしっと重みがかかり下流へ走る。待ってよ、そんなに行くなよと竿を立てると今回はなんとか持ち応えている。ティペットを太くしているので少しは安心だが、それっきり動こうとしない。重いなあと思ってリールを確認すると、なんとバックラッシュしたのかラインが引っ掛かって数メートルしか出てこない。これは一気に走られたらアウトだと思いながら、なんとかテンションを保ちラインの絡まりを外す。走るなよ走らないでくれと思いながら、やっとなんとか絡まりが取れて一安心。けれども流れもあってなかなか寄ってくれない。どうせ放すんだからさっさとあきらめてネットに入ってよ。時折水中で銀色の姿が揺らめいて見える。切れるなよ、バレるなよと思いながらやっと引き寄せて何度目かでネットに入った。ヤッター、やっとこの場所で取れたぁ、三度目、いやきっと五度目の正直だ。ずいぶん大きく感じたがそれでも45はないか。贅沢言っちゃいけない。果たして同じ魚だったかはわからないが、ついにその姿を見られた。こんなシーズンの最後の最後にいい思いをさせてくれて有難く思う。

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 もうこれで良かったのだが、一応と思って少し上も流してみると、再び20数cmのニジマスが釣れる。ここでニジマスが釣れたことはなかったのだから、明らかに今日は何かが違っているらしい。これだけドライに反応してくれたのだから、きっと何か水面に餌となるものが流れるのだろう。
 もう十分すぎるが、まだ新しいシンキングラインを試していない。最初の場所に戻ってリールを付け替える。タイプⅣのグレーのライン、自分はフルラインから始めたせいか、どうもあのシューティングヘッドとランニングラインの継ぎ目に馴染めない。またあのスペイラインにつきもののグレインとかいう重さの単位がどうにもピンと来ない。釣具店のSさんによると、フルラインだと手元に巻き取ったラインが沈んで扱いにくいよ、というのにはなるほどと思わされたが、フルラインの方がしっかり沈んでくれそうな気がした。
 久しぶりに使ってみるとキャストには問題ないが、夕暮れでどこに飛んでいるのかよく見えない。こんなんだったかなぁ、目が弱くなったのかなぁ、それでもたっぷりと沈んでくれることは確かだ。暫く反応がないまま下りながら探って前回のブラウンの場所。ピックアップしようとすると、浮かんでくるフライを猛烈なスピードで追ってくる魚が見えた。ふと毛ばりが止まった瞬間たぶん食ったのだと思う、残念ながら一瞬鉤掛かりしてすぐに外れた。ドキッとするような懐かしい出方だ。ほかにもいないかと同じ場所を再び探っていると、同じような出方で今度はしっかり鉤掛かりした。30には少し足りないほっそりとしたイワナ、あるいはアメマスと呼ぶべきか?果たして同じ魚だろうか。

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 それにしてもあんな元気な追い方をするものか。ルアーを引いて水面で食った時の様なスリリングな感覚を思い出した。これからもまだこのラインは十分使えそうだなぁと納得した。

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# by kimamani-outdoor | 2017-11-07 21:00 | 釣り | Comments(6)